【妄想〜ザ・アイツの心境〜シリーズ】とは?
幼い頃から日常的に、小一時間ほど窓の外を眺めぼーっと妄想を繰り広げ、両親に「この子…大丈夫かしら?」と心配をかけてきた私コミンズ・リオ。この【妄想〜ザ・アイツの心境〜シリーズ】では、体ばかり大人になったそのリオが、(おそらく)いつの日にもならないであろう「アイツら」の日々の心境に関して全力で妄想してみる、という、前置きの説明書きがついても全く解りやすくならない文章です。とりあえず読んでみ。
===
たくさんの、いろんな、多種多様な女性とえっちしてみたい!この気持ちは男性で人類(いや人類じゃなくても生物全般)だったら誰しもが共有できるもの。「オス」という、全生物の片割れのDNAの中には、「いろんな女とやれー!」という本能が(当時は種族繁栄のために)古来から組み込まれており、現代20XX年、命令通りにそれをで実行するかどうかは、その個体の度胸や環境や外見や生殖能力や宗教や倫理観に大きく左右される。なお、これら全てを乗り越え、20XX年という、本来であればジェットソンズが空を車で飛び交い、ドラえもん系ネコ型ロボットが工場で大量生産され、ゼメキス的にもキューブリック的にも「もう未来」なはずなこの時代でなお「女!女!女!もっと抱きたい!もっと!!足りない!足りない!!」と、原始的な欲求の赴くまま獣に成り果てているものを我々は「ヤリチン」と呼ぶ。当然だが、我々オスはヤリチンをどこか崇めている。まるでアステカの古代神かのように*1。
驚くことに、実はこの秩序と倫理で守られた現代(←皮肉だよ☆)において、「ヤリチン」という悪名を抱かずに原始的欲求を満たすことができる方法が一つある。風俗だ。ごめん、嘘だ。いや、さらにごめん、嘘ではなく、一応風俗も当てはまるがが、今回はそれについては触れない。
AV男優だ。
そう、AV男優というものは、まさかの、「仕事」として実に多種多様な女性と交わることができる、文字に起こすとその馬鹿さ加減がさらに顕著となる、恐ろしくも素晴らしい(コホンッ、羨ましいではないぞ!決して!)職業である。監督の無理難題な要望と、カメラが常に自分の男性器を写しているという事実と、現場の独特な臭いと、皮肉にも全てを純白に変えようとする眩しすぎる照明と、TPOに影響されすぎる女優のコンディションを全て乗り越え、無事人気男優となれば、1000人斬りも非現実ではない。夢の4桁。ウィルト・チェンバレンも天界から優しく微笑んでいることだろう。
我々オスは、ヤリチン以上にこのAV男優に対して憧れを持っている。その理由は、実際に「そこに」いるからだ。不確定多数でクオリティコントロールができていないヤリチンとは違い(実際「ヤリチン」はどこの誰とやってるのかも多くの場合わからない)、AV男優は「僕たちの◯◯ちゃん」と交尾しているのだ。あんなに可愛くてスタイルのいい(もしくはムッチリで妖艶な、もしくはちっちゃくて可憐な、もしくはデブでババアな…ダメだ、あげてばキリがない*2)◯◯ちゃんとSEXできるなんて…僕なんてお金を出して(というのは極一部の人間で、ほとんどの殿方はPORNHUBかFC2などの無料動画サイトで閲覧しているが、この際そこはあんまり関係ない)画面越しでマスターベーションに耽っているのに、このAV男優の人は本物とやってるだなんて!しかもお金までもらって!はぁ…羨ましい!というのが世の男の99.99%の気持ちである。
しかし、そこは高田純次が持つ妄想王の冠を常に狙っている私コミンズ・リオ。想像するのは日頃からAVの虜になっている有象無象の心の奥底じゃない、「AV男優の心境」である。現在のAV界を牽引し代表する男優の一人、しみけんの自著を始め、書店で何冊かAV男優についての本を読んだことがあるが、どれもなんだか表面的だった。「健康管理」だの「体力維持のための筋トレ」だの「好きな女性を抱くのが一番」だのと書いてあるが、正直そんなのは興味がない。そこで妄想が広がる。
普通に街を歩いていてどうなのだろうか?女性を見ると、裸を瞬時に、かつ的確に分析できてしまうのだろうか?あの子はヘソの位置が高い、とか、乳輪がやや楕円形、とか。経験人数とか性欲の強さまでわかるのだろうか?ディズニーランドで行列に並ぶと、「へっ、この列に並んでいる全ての人間よりも俺の方が経験人数多いぜ!」とか思って、ちょっと悦に浸るのだろうか?銭湯に行って周りの男性をみて、「あいつのイチモツ、長時間撮影にぴったりサイズだな」とか判断するのだろうか?
同窓会に呼ばれると、どうするのだろうか?普通に色々と答えるのだろうか?男の同級生は必ず女優との絡みについて異常な好奇心を持って尋問してくるだろうし、女性の同級生とかは「ちょっとぉ、下ネタやめてよ!」とか明るい感じで言いながら、7:3ぐらいの割合で(実は男子と同じぐらい興味ある)と(まじでちょっと違う話題に移ってくれないかな)に分かれるだろう。それを全部見据えた上で、「え、◯◯ちゃん?うん、めっちゃいいこだよ!素直だし、すごく明るいし、全然AV女優のイメージじゃないよね〜」といった、毎回この手の飲み会で用意している大人の返答を使うのだろうか?
そして、なんだかんだ楽しく盛り上がったあと、終盤あたりに、同級生一同、男女関係なく、「でも、よく考えたら、あいつAV男優なんだよね…」と我に帰り、一歩引いてしまうのだろうか?ヤリチンはアマチュアがゆえにどこかファンタジックで浮世離れした部分があるが、AV男優はプロであり、現実である*3。カメラの前で無数の女性と性行為を行い、それで生計を立てている人たちである。我々オスが、資料を作り、部長に頭をさげ、エクセルに数字を入力し、現場で汗を流し、クライアントと打ち合わている中、こいつは女を抱いている。我々は微力ながらも会社に、そして会社を通して社会に貢献しているという気持ちを持って仕事をしている。こいつは、なにをしているんだ?お天道様に向かって胸を張って、毎日生きていけるのか?
そういった考えも、AV男優は全部おそらくわかっているのだろう。わかった上で思うのだろうか?そう言いながら、お前らだって一人でも多くの女を抱きたいと思っているじゃないか。それが本音だろう?「俺の人生、かみさん抱いて、もうこれ以上なにも残ってないのかな?」って、思っているんだろう?そして、実際におれは抱いている。さらに、かみさん以外抱けないお前らの唯一の救いが、俺が出ている作品じゃないか。結局、俺らに対する完全なる依存じゃないか。見下すんじゃねえよ。カネでもオンナでも負けていて、さらには俺らの作品に依存してるくせに、見下すんじゃねえ!社会を支えてるのはどっちだ!?
オス一同は家路に帰り、よほどAV女優とは似つかない奥さんの隣で寝床につき、AV男優は1000人抱いたのにその内一人も隣にいないベッドで「やっぱり好きな人が一番」と最近出した著書に書いたことを反芻し寝床につく。そこで妄想は終わる。
…さて、お気に入りのAVでも見てくるかな!
*1:なぜか以前マヤとアステカ文明の神様についてウィキってたときに、「アステカだけ他の文明(東西関わらず)に比べてめっちゃ性に関する神様多いな」というのを思い出してみたり。
*2:どのフェティシズムであれ女優は9割型整形であるということは本文では書くまでもない。あ、ババア以外は。自然と崩れていく様=ババアなので。ババア…なんてナチュラルで、なんてオーガニックなんだ。
*3:やはり、ヤリチンに関してはこの目で「実際に見て」はいないのでどこまでが真実なのかわからないのに対して、AV男優はこの目で「実際に見ている」。しかも、何度も、何度も、何度も…。